SAKE

「大黒正宗」(だいこくまさむね)

濃厚・旨口、ごく少量生産の手造り酒。

酒造りの名水「宮水」特有の強い酒質を持ち、瓶詰め後も熟成して味がのってくる「灘酒」の正統な系譜です。ただ濃いだけのものとは違う、原酒でより楽しめるように設計された原酒を基本とするブランドで、日本酒という醸造酒が持つ「お酒の旨み」が存分に感じられるお酒です。

『大黒正宗』では、米の磨きを50〜60%にとどめ、旨みや味わいを濃く感じられる濃厚旨口の酒造りを目指してまいりました。


「紅天女」(くれないてんにょ)

「紅天女」とは、漫画家 美内すずえ先生の『ガラスの仮面』の劇中劇です。

※劇中劇『紅天女』とは…

南北朝の動乱の世において、天皇の夢枕に七日七夜、天女が立ち「我が姿を彫って祀れば世は平和になるだろう」と告げた。天皇の命を受けた仏師が旅立つが、旅の途中で一人の法師が現れ「千年の梅の樹を探して彫れば魂のこもった天女像ができあがるだろう」と南を指差し、忽然と消える。南へ旅を続けた仏師は、ある谷で一人の乙女と出会い、恋に落ちた。その乙女は、天を父とし大地を母とする、天と地をつなぐ存在であり、まさに探し求める千年の梅の樹の精であった。戦乱の世を治めるにはその梅の樹を切らねばならぬ。さすれば乙女は死んでしまう。…

『紅天女』は、そうした精神の葛藤の物語であり、“自然の恵みを謙虚に受け止めよ”という美内先生のメッセージでもあります。

『ガラスの仮面』は連載が20年以上にわたるベストセラーですが、「紅天女」の章に入ってからストーリーが進まず、美内先生は実際に梅の木で仏像を彫ってもらおうと、知人の仏師に依頼していました。相応しい梅の木は香川県観音寺市で見つかったものの、肝心の仏像のイメージが浮かばない。困っていたところ、知り合いであった当時の当主(十代目又四郎)の長女から「蔵元には『梅之樹』という水戸藩御用達の銘酒があり、かつて水戸藩主が邸内にあった梅の木を見て銘を与えた」という縁起を聞き、1996年の9月22日、蔵元に伝わる古い写真を見る機会を得ました。その写真に写った梅の古木は観音様のように見え、まさに紅天女のイメージとぴったり重なりました。

美内さんは、その縁が偶然ではない、神の縁だと感じられたといいます。

それは1996年の夏。前年の阪神大震災で被災した蔵元が、復興のために何かできないかと考えていたタイミングでした。“自然への感謝と人間の精神の復興”、そんな両者の祈りを込めて誕生したのが、日本酒「紅天女」です。

※美内すずえ先生による「紅天女」イラスト。実際の「紅天女」のラベルにも使わせていただいております。

※先生が連載中にインスピレーションを受けたという旧安福邸の梅の樹。古い梅の樹のシルエットが、観音像のようにも見えます。

美内すずえ先生からのメッセージ

「太陽・空気・大地・水など、自然界の恵みを集約した“酒造り”は二千年前の大和時代には重要な神事でした。ですから、この日本酒『紅天女』には大地の恵みである“米”そして“水”を大切にした、神に捧げる高貴なお酒であってほしいと思います。お酒は自然界の恵みのエッセンスであり、日本文化のエッセンスでもあります。

これらの意味からも『紅天女』は、“自然回帰を促し、自然に感謝する象徴”であることを思いながら、味わっていただきたいお酒です」